ワインコラム
HOME > NZワインの魅力(コラム) > 第202回 ネルソンのワイナリー
ニュージーランドは水仙(Daffodils)が咲き始め日も徐々に長くなり楽しみにしていた春が近づいてきた予感がします。

私事ですが、5年半住んだクライストチャーチを離れ、4月から南島先端にあるネルソンで暮らしています。
ネルソンはSunny Nelsonと呼ばれるほどニュージーランドでも日照量が多く、農産物が有名でビールの原料となるホップもネルソンで栽培されています。ちなみにネルソンのホップはソーヴィニヨン・ブランの香りがすることから「ネルソンソーヴィン」と呼ばれているそうです。ワインもニュージーランドの3%をここネルソンで生産していて、The Hillsと呼ばれる丘陵地帯とThe Plainsと呼ばれる平地で主に栽培されています。


The Hillsにある畑


The Plainsにある畑
丘陵地は粘土質の混じった砂利質でワインはリッチで飲みごたえのあるタイプになり、ここで造られるピノ・ノワールはエレガントかつタンニンのしっかりしたもの、シャルドネはふくよかで複雑なワインになります。平地は石の多い沖積土壌で海からの影響を受けて多様なテロワールを見せてくれます。

今までのワイパラとは全く違うスタイルのワインなのでしっかりと探検してみたい、と思ったのですが私の移住した4月は秋の終わりでオープンしているワイナリーもほとんど無く、天気の良い日にドライブがてら数件を訪問してみました。(畑の写真は数年前に訪問した時のものです。)

ワイパラだとクライストチャーチから車で45分から1時間の所にワイナリーが点在していますが、ネルソンは街のの中心地からは車で20分くらい、ネルソンの隣町リッチモンドからは5分で最初のワイナリーに遭遇します。意外とワイナリーが身近にある地域で、私の同僚の中でも「友達がワイナリーを経営してる」と言う人もいるほど。

この日最初に訪れたワイナリーは平地にあるTe Mania/Richmond Plainsです。
Richimond Plainsは認証を受けたオーガニックのワインを造っていて畑に羊やニワトリがいて畑作業も手作業でやっているとのことでした。

SO2の量も規定量のほぼ半分しか使われていないのでSO2に敏感な人でも安心して飲めるそうです(個人的には全く鈍感なので私は気にはなりませんが…)。

ここのワイナリーではまってしまったのはBlanc de Noir。そう、シャンパンでは良く聞くブラン・ド・ノワールを造っているのです。と言ってもスパークリングではなくスティルワイン。ご存知の通り黒ブドウも皮を取り除いて白ワインを醗酵する方法で造れば白ワインになります。これもその方法で造られていて、フルーティーさの中にピノ・ノワールのタンニンが少し感じられ、また酸味もしっかりとある白ワイン。何となく雰囲気はアルバリーニョのような。樽は一切使っておらずピノ・ノワールのフルーティーさを追い求めた感じで暑い日はキンキンに冷やしてもそのフルーティーさは失われないし温度が上がっても酸がしっかりあるお陰で美味しく飲めます。

そして、さらに北上していくと小さい町Mapuaに遭遇します。港周辺には可愛いカフェや雑貨店が立ち並んでいてブラブラするにはもってこいです。そしてそこのカフェで食べたポテトが最高に美味しかったです。ニュージーランドはジャガイモの消費量が多く日本のものに比べると味がしっかりしてる気がします。個人的な意見ですがポテチもフライドポテトも当たり外れがありません。

更に北上して行くと少し丘になってきます。この辺りからThe Hills丘陵地です。そして私の一番行きたかったワイナリーNeudorfノイドルフへ。 シャルドネが有名なノイドルフですが初めて飲んだリースリングも酸ありミネラル感ありで良かったです。ニュージーランドのリースリングはフランスやドイツのリースリングに比べて少しフルーティー過ぎる感もあるのですがここのはバランスが絶妙でした。やはりシャルドネはさすが。私が飲んだのは石灰質の畑のシャルドネで、ミネラル感がシャキッとしていてどこかシャブリのような雰囲気も。こう言うスタイルはやっぱり食事と合わせたくなります。

近くに何軒かワイナリーが点在しているのですが、ほぼ休み…で次はKahurangiカフランギへ。写真は失念してしまいましたが、テイスティングして印象に残ったのは何とモンテプルチアーノ!あの黒果実系にスパイシーな風味、もちろんイタリアのモンテプルチアーノよりは軽めですがそこが丁度良い感じでした。ニュージーランドでは数少ないモンテプルチアーノの生産者だと思います。これまた個人的な意見ですが、ニュージーランドは生産量のほとんどがピノ・ノワールソーヴィニヨン・ブランです。こちらに住んでいるとそれ以外を飲みたいぞ!と強く思うのですがクライストチャーチくらいの大きい都市だとワインショップに行けばニュージーランドで造っている数少ないアルバリーニョ、シュナンブラン、テンプラニーリョくらいは手に入れることが可能ですが、ネルソンではなかなか難しいのでこう言った面白い品種にチャレンジしているワイナリーは貴重な存在です。

最後に余談ですがネルソンは実はニュージーランドの中心地と言われている場所があります。街中から歩いても行けるくらいの小高い丘の上に「Centre of New Zealand」があり観光客や地元民がウォーキングを楽しんでいます。頂上からはネルソンの町が一望出来、冬だと山々が白化粧していてとても綺麗です。1870年代にここが中心だ、と決定されたそうなんですが50年ほど前に再調査が行われて、実際の中心地はそこから40キロほど内陸に入った山間部だと判明したそうですが、未だにここがニュージーランドの中心地として愛されています。

今回は時期もありネルソンのワイナリーについてそこまで詳しくご報告出来ませんでしたがネルソンは夏になる通常の人口の倍ほどになり賑わいを見せます。その時期にはどのワイナリーもセラードアを開放し始めるので今度はもっと色んなワイナリー情報をお届けしたいと思います。


2019年2月掲載







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